HIV感染症(性病(STD)と性生活を考える)

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HIV感染症

HIV感染症

1981年にアメリカの男性同性愛者の間で発見されたHIV(ヒト免疫不全ウイルス)による病気、HIV感染症は現在もなお感染を拡大しています。一般的にAIDS(エイズ)と呼ばれていますが、AIDSとは後天性免疫不全症候群の英語の略称で、HIVにより免疫機能が破綻しさまざまな病気を発症することを指します。

HIV感染症(この先は一般的に分かりやすくエイズと呼びます)が厄介なのは潜伏期間が1年~10年と長いのに、感染初期の自覚症状がほぼ皆無であるため知らず知らずのうちにHIVを広げてしまう恐れがあることです。感染初期、1~2週間程度のうちに風邪と似たような症状が出ますが、この時点で既にHIVの感染源となっています。しかしHIVが検出されるには検査の精度が上がった今でも少なくとも1ヶ月、感染の有無を確定するには3ヶ月は必要で、感染初期にHIV抗体検査を受けても検出が難しいため風邪と誤診されてしまいがちです。

HIVによるエイズ発症前にはエイズ関連症候群と言われる症状が出始め、長期に渡る発熱や下痢、体重減少や全身のリンパ腺が腫れるなどの症状が見られます。その後、日和見感染症といわれるカリニ肺炎やカポジ肉腫などを発症し、この時点でエイズ発症となります。エイズ発症後に抗HIV療法を開始しても効果が望めないことが非常に多く、それだけにエイズ発症前にHIV感染を発見することが大切なのです。

エイズはセックスのカジュアル化やコンドームを使わない、そして何よりエイズを自分にも起こりうる問題と考えない日本の社会的風潮により、先進国の中で唯一感染者が増え続けています。公共広告機構は『カレシの元カノの元カレを、知っていますか?』という衝撃的なフレーズのCMやポスターを展開しました。私たちは膨大な人間関係の背景を持つ一人ひとりと接しています。つまりエイズは一部の特定の人だけでなく、あなたにも十分関係のある問題なのです。

今のところエイズの発症を遅らせる薬は開発されており効果を上げていますが、HIV感染症の特効薬は日々研究が進む現在においてもまだ実用化されておらず、ようやく一部の薬が臨床試験に入ったばかりです。ようやくHIV感染症は進行を抑制できる慢性疾患になりましたが、毎日服用する時間が決まっている面倒な薬を一生飲み続けなくてはいけません。

あなたとあなたの大切なパートナーを守るためにも不特定多数とのセックスは控え、またセックスするときには必ずコンドームを着用するようにしましょう。エイズは私たち全員の問題です。

◆性病かな?と思ったら、男性性病の上野クリニックなどに相談、診断してもらったり、性病郵送検査キットなどを使って自宅で検査を行うようにしましょう。

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